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機械学習part1:機械学習とは

2023/11/9

技術ブログ

機械学習

【はじめに】

こんにちは。23年卒SD部T.Sです。

今回から12回にわたり、23卒のエンジニア4人が「機械学習」「React.js」「ブロックチェーン」という3つのテーマについて、各テーマごとにリレー形式でブログを投稿していきます。

記念すべき一つ目のテーマは「機械学習」です。IT初心者の方でも理解できるようにわかりやすい解説をしていきますので、気軽に読んでいただけると嬉しいです!

【目次】

  • 人工知能(AI)とは
  • 機械学習とは

     ・教師あり学習

     ・教師なし学習

     ・強化学習

  • 機械学習の活用事例

     ・需要予測

     ・不正検知

     ・画像認識

     ・エレベーター制御

  • さいごに

【人工知能(AI)とは】

 皆さんは人工知能と聞いてどのようなイメージをするでしょうか。少し前に話題になったChatGPTのようにデータを基に自動処理するようなものから、映画で出てくる人間のような知性を持ったものをイメージする人が多いと思います。そのイメージは間違っていないのですが、実は人工知能の定義というのは曖昧なのです。

  • 人工知能 定義例
    広辞苑:推論・判断などの知的な機能を備えたコンピューター・システム
    松尾豊(東京大学):人工的につくられた人間のような知能、ないしはそれをつくる技術。人間のように知的であるとは「気づくことのできる」コンピュータ、つまりデータの中から特徴量を生成し現象をモデル化することのできるコンピュータという意味である
    山口高平(慶応義塾大学):人の知的な振る舞いを模倣・支援・超越するための構成的システム
    溝口理一郎(北陸先端科学技術大学院):人工的につくった知的な振る舞いをするためのモノ(システム)である
    長尾真(京都大学):人間の頭脳活動を極限までシミュレートするシステムである
    浅田稔(大阪大学):知能の定義が明確でないので、人工知能を明確に定義できない

例で挙げたように研究者によってざっくりとした定義から現実的な定義まで様々なものが見られますね。これから投稿される機械学習Part2~4で解説する技術は現時点で実現可能なものであるため、ここでは人工知能とは「知的な振る舞いを模倣する」ものだと思っていただけたらと思います。

 余談になりますが、人工知能について研究していた大学の教授が「人間の脳が解明されていない今、人工知能(人間の脳と同じ構造のもの)を作り出すことは不可能である」とおっしゃっていました。当たり前のようなことですが、まさにその通りだと腑に落ちたことを覚えています。ちなみに実際研究者によって定義が異なる理由も同じだとされているそうです。皆さんであればどのように定義しますか?

【機械学習とは】

 今回テーマとして取り上げさせていただく機械学習は、“人工知能を実現するために推論を行う要素技術の一つ”になります。大まかに「コンピュータが膨大なデータを基にしてルールやパターンを学習することで特定の問題や入力に対して正しい答えを導きだす仕組み」と認識していただけるとこれから解説をしていく内容がよりわかりやすくなるかもしれません。

例えば、公式が決まっていてそれを基に解答を導き出す数学は人間も機械も同じように考えて答えを出します。それに反して、”写真を見てそれが何かを認識する”など導き出し方がわからないものが機械学習を活用する領域となります。

そんな機械学習の中でも代表的な手法として「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」と大きく3つの方法があります。一つずつゆっくり見ていきましょう。


<教師あり学習>

正解データを使って学習する方法です。答えそのものはわかっているが答えの出し方がわからないケースで使用します。教師あり学習の目的は大きくデータがどのグループに属するか分類する「分類」と連続するデータを分析しながら数値を予測する「回帰」の2つがあります。分類は事前に複数のデータを取り込んでグループ分けを行うことで、学習後に入れたデータがどこに分類されるか判別することに使われます。身近なものであれば画像認識や音声認識、迷惑メールのフィルタリングにも使われています。回帰は例えば”天候や気温とアイスクリームの売上の関係”を学習して気温に対して期待できる売上を予測すること等に使われます。


<教師なし学習>

答えがわかっているが答えの出し方がわからないケースで使用する教師あり学習に対して、そもそも答えがわからない問題に使用するのが教師なし学習になります。答えがわからない為、たくさんのデータを集めてデータの特徴を学習させ、グループ分けをしたりします。


<強化学習>

どのような行動を取れば得られる報酬を最大化させることができるか学習する方法が強化学習になります。車を運転する際に利用されているカーナビも無数のルートの中から最短でたどり着ける(報酬が最大化される)ルートを導き出す強化学習方法が活用されています。

【機械学習の活用事例】

ここまでの説明で機械学習の概要は理解できたでしょうか。続いてここでは機械学習の活用事例を4つご紹介したいと思います。

  1. 需要予測

    過去のデータや市場動向などを分析して将来のニーズを予測するという事例です。需要が予測できることにより飲食業界や小売業界では在庫管理の最適化を図ることができ、廃棄削減や人件費削減が見込めます。

  2. 不正検知

    不正検知はクレジットカードの不正利用防止に活用することができます。指定クレジットカードのデータの特徴を分析することにより、そこから外れた不正を検知することが可能になります。

  3. 画像認識

    工場などで取得した画像を特徴毎に自動で分類することにより、短い時間で不良検知することができます。

  4. エレベーター制御

    複数のエレベーターが設置されている大きな建物で、混雑する時間帯やよく利用される階数等を学習することによりエレベーター制御の最適化が可能になります。

【次回】

機械学習Part2〜4では機械学習の中でも決定木という方法を取り扱います。

実践パートもありますのでお楽しみに。


【さいごに】

 「機械学習part1:機械学習とは」はいかがだったでしょうか。活用事例でもあったように、機械学習を活用することで様々な点で最適化を図ることが可能となります。現在少子高齢化による労働人口減少を問題視している日本では特に機械学習による社会課題解決が大きく見込めるのではないかと思いました。理想論ではありますが、将来労働者の負担だけが大きくならず私生活も満喫できるような世の中になったらいいですね。そのために私自身も人工知能の分野を中心に少しずつ知識を身に着けていきたいと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。