【はじめに】
こんにちは。23年卒SD部T.Sです。
23卒エンジニア4人がリレー形式で投稿していた技術ブログもついに最後のテーマとなりました。
過去に私たちが投稿したブログは以下になります!
ご興味のある方はぜひご一読いただけますと幸いです。
今回のテーマである「ブロックチェーン」は昨今注目されているWeb3.0を支えている重要な技術の一つです。エンジニアでない方でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。本ブログを読み終えた頃には”聞いたことはあるけど実際どういうものか意外と知らなかった”ブロックチェーンについてこんなものなんだと他人に説明できるようになっていることでしょう。
【目次】
- そもそもWeb3.0とは?ブロックチェーンとは?
- ブロックチェーンのメリット
- 課題点
- 実用例
- まとめ
【そもそもWeb3.0とは?ブロックチェーンとは?】
現在はWeb2.0からWeb3.0へ移行している最中だと言われていますが、まずWeb1.0からの流れを見てみましょう。
Web1.0…受け手と送り手が固定されており一方通行で情報が送られる。テレビのような状態。テキストのみで作られたページが基本で画像や動画は少なかった。
Web2.0…双方向で情報がやり取りされている。画像や動画が一般化。
Web1.0からWeb2.0は、企業のホームページやサイトを見ることしかできなかった状態から、SNSのように双方向でやり取りできるようになったというように状態が変化しました。
ではWeb2.0からWeb3.0は何が変わったのでしょうか。それは情報の在り方にあります。Web2.0では中央管理者が情報を管理する中央集権型の仕組みが一般的でした。具体的には、データやコンテンツは特定の企業や組織のサーバーに集中して保管され、管理者が情報の流れをコントロールする構造になっています。このため、情報の透明性やプライバシーの問題が生じることがありました。
一方、Web3.0は非中央集権型のアーキテクチャを特徴としています。ここでは、管理者が存在せず、データや取引が分散型ネットワークによって管理されます。この仕組みを支えているのがブロックチェーン技術です。ブロックチェーンとは、分散型の台帳技術で、情報が複数のコンピュータ(ノード)によって共有・保管される仕組みを指します。ノードとは、ブロックチェーンに参加している端末を指します。
ブロックチェーン上のデータは、ブロックと呼ばれる単位でチェーン状に連結され、各ブロックにはその前のブロックのハッシュ値(デジタル署名の一種)が含まれており、このハッシュ値というのは情報が少しでも変更されたら値が変わるため、改ざんが極めて困難です。これにより、中央の管理者がいなくても信頼性の高いデータのやり取りが可能になります。Web3.0では、このブロックチェーン技術を活用することで、ユーザー自身がデータや資産の所有権を持ち、取引や情報交換がより安全で透明性のある形で行えることが期待されています。これは、インターネットの根本的な変革であり、個人のプライバシーやセキュリティを強化し、新たなビジネスモデルを生み出す可能性を秘めています。
次に、ブロックチェーン技術がもたらすメリットについて見ていきましょう。
【ブロックチェーンのメリット】
改ざん耐性
ブロックチェーンは、各ブロックに前のブロックのハッシュ値が含まれており、連鎖的な構造を持つため、一度記録されたデータを改ざんすることが非常に困難です。これにより、信頼性の高い情報管理が可能になります。
透明性
ブロックチェーンの取引や情報はすべての参加者が閲覧できるため、透明性が高く、取引の追跡や監査が容易に行えます。企業間の取引や、政府による管理でも透明性を保つことができます。
分散型管理
ブロックチェーンは中央の管理者が存在せず、ネットワーク上の各ノードが平等な権限を持ちます。この分散型の特性により、システムの耐障害性やセキュリティが向上し、一つのポイントに依存しない強固なインフラを構築します。
セキュリティの向上
暗号技術を利用してデータが保護されており、不正アクセスや情報漏洩のリスクを大幅に低減します。これにより、個人情報や金融取引データの安全性が確保されます。
【課題点】
処理速度
ブロックチェーンは処理速度が遅いという課題があります。特に、ビットコインやイーサリアムなどの公開ブロックチェーンでは、1秒間に処理できる取引数が限られており、これが大規模なシステムでの活用をする際の懸念点となっています。
エネルギー消費
特にプルーフ・オブ・ワーク(PoW)を採用しているブロックチェーンでは、膨大な計算リソースが必要となり、環境への負荷が問題視されています。このため、持続可能なエネルギーをどう確保するかが課題です。
規制と法的問題
ブロックチェーン技術が国際的に利用される中で、各国の規制や法的枠組みが整っていないことが問題です。特に金融取引や個人データに関して、既存の法律との整合性をどう図るかが重要となります。
プライバシー問題
透明性が高いことはメリットである反面、誰でも取引情報を確認できるため、プライバシーの保護が十分でない場合があります。この問題を解決するにはプライバシー保護技術を導入する必要があります。
【実用例】
輸送システム
荷物の追跡にブロックチェーンの活用が進んでおり、精算から納品までの取引データをブロックチェーンで管理することで偽装品混入の防止をしています。
音楽著作権管理システム
ブロックチェーンのデータ改ざんが難しいメリットを生かし、著作権情報の登録共有ができるサービスの構築を進めています。
臨床試験のモニタリング
臨床試験の記録データは正確性や信頼性が欠かせません。そのためチェック業務が大きな負担となっているそうです。そこで改ざんが難しいブロックチェーンを活用することで安全性を保ちつつチェック業務を軽量化させています。
不動産の情報管理
不動産売買取引においてブロックチェーンを活用することにより、契約に関するやり取りを全てデータ上で行うことが可能となります。個人情報を安全に管理しながらユーザー同士が直接取引を行えるため仲介者が必要なくなり取引をする際にかかる手間や手数料を削減させることが大きなメリットとなります。実際にプラットフォームを構築し実証実験もされているようです。
【まとめ】
ブロックチェーンは、非中央集権型の技術としてWeb3.0の中核を成し、透明性や信頼性を高めると同時に、改ざん耐性やセキュリティ強化といったメリットがあります。しかし、処理速度やエネルギー消費、法規制といった課題も残されています。ブロックチェーン技術の実用化は、輸送や著作権管理、臨床試験など様々な分野で進んでおり、今後もさらなる発展が期待されます。