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ブロックチェーン part3:仮想通貨(暗号通貨)の種類と用途

【はじめに】

こんにちは、23年卒SD部のM.Kです。

前回投稿されました「ブロックチェーン part2:仮想通貨(暗号通貨)の基礎概念と歴史」はお読みいただけましたでしょうか?

まだお読みでない方は、ぜひpart2から続けてお読みいただけると本投稿の内容がより分かりやすくなるかと思います!

また、ブロックチェーンの概要について説明されている「ブロックチェーン part1:ブロックチェーンとは」も公開されております。お時間のある際にぜひお読みください!

前回で、ある程度仮想通貨について理解していただけたかと思います。今回はさらに深堀りして、仮想通貨の種類とその特徴、また仮想通貨の用途について解説していきます。

【目次】

  • ビットコイン(Bitcoin)とその役割
  • イーサリアム(Ethereum)とスマートコントラクト
  • リップル(Ripple)と国際送金
  • ステーブルコインとその安定性
  • 仮想通貨の使用例と実際の用途

【ビットコイン(Bitcoin)とその特徴】

 まずは前回の仮想通貨との関連があるビットコインについて見ていきましょう。ビットコインは、世界で初めてブロックチェーンを基盤としたデジタル通貨です。流通している仮想通貨の中でもビットコインは知名度が高いため、ビットコインが仮想通貨の代表例とされることが多いですが、ビットコインも仮想通貨の1つに過ぎません。

 では、前回のブログでも触れていましたが、改めてビットコインの特徴について説明していきます。

 ブロックチェーンを使用していることを前提として、発行枚数が決められていることが特徴の1つです。中央組織がなく漠然と発行しては価値が下がってしまうため、発行上限を決めることでインフレすることを防ぐことができます。

 また、取引に参加している端末は個別で相互に繋がっているため、個人間で相手がどこにいようとスピーディーに直接送金することができます。

【イーサリアム(Ethereum)とスマートコントラクト】

 続いて、イーサリアムについて見ていきます。イーサリアムとは、ヴィタリック・ブテリン氏によって考案・開発されたプラットフォームの名称です。このプラットフォーム内で使用される仮想通貨をイーサ(ETH)といいます。日本では、イーサリアムとイーサのどちらも「イーサリアム」と表現することが多いです。また、イーサはビットコインに次ぐ時価総額を誇る仮想通貨として、世界で広く取引されています。

 では、ビットコインとの違いは何なのでしょうか。それは、イーサリアムにはスマートコントラクトという機能が備わっていることです。イーサリアム最大の特徴でもありますが、スマートコントラクトとは、人の手を介さずに契約内容を自動で実行する仕組みのことです。(図)のように最初にブロックチェーン上で取引の契約内容とその実行条件をあらかじめプログラミングするため、取引開始前後での契約内容の改ざんや不履行を防止し、自動化により取引期間の短縮化や人件費の削減などを実現した上で、決済まで完了させています。スマートコントラクトは、この利便性の高さから、分散型金融や保険プラットフォーム等に活用されています。

(図)

【リップル(Ripple)と国際送金】

 これまでに紹介してきたビットコイン、イーサリアムについては比較的知名度の高い仮想通貨でしたが、次に紹介するのはリップルという国際送金での利用に長けた仮想通貨になります。厳密にはXRP(エックスアールピー)といい、そもそも従来の国際送金が抱える課題を解決するために開発され、リップル社が提供する国際送金のシステム内で使われています。ちなみに、リップルは発行枚数の上限が1000億枚ですが、すでに全て発行済みです。

 それでは、リップルの特徴について見ていきます。まず、ビットコインやイーサリアムでは「分散型」という中央管理者がいない状態で、ブロックチェーン上で取引が行われますが、リップルでは、「Ripple Inc.」という会社がXRPの半分以上を保有している上に、取引にかかわること等、すべてこの会社の指揮下で行われ、「XRP Ledger」という独自の決済システム上にて取引が記録されています。

 また、もともと国際送金の効率化のために開発されているため、リップルは送金速度がビットコイン等と比べても圧倒的に速く、手数料もリーズナブルになっています。この魅力的な特徴のおかげで、リップル社が提供している国際送金ネットワークには、日本も含め世界45カ国以上にわたり300社以上の金融機関が参加しています。


【ステーブルコインとその安定性】

 続いて、ステーブルコインについて紹介します。こちらは、法定通貨と連動して価値が変動する、比較的値動きが小さな仮想通貨を指し、仮想通貨の固有名詞というわけではありません。一般的には、ビットコインやイーサリアムのような値動きが大きいものが注目度も知名度も高いですが、それに対し、仮想通貨でありながら実際の為替と連動して価格が決定するため、極端な値動きが起こりづらいため運用しやすく、広く市場を形成しているのがステーブルコインとなっています。この安定性のあるステーブルコインを利用することで、低リスクで安心して資産を保有することができます。

 ステーブルコインにはさまざまな種類がありますが、種類分けの定義として通貨の価値を安定させるための仕組みに違いがあります。

・法定通貨担保型

法定通貨担保型とは、現実で利用されている法定通貨によって担保されており、法定通貨と1:1で取引ができるステーブルコインです。主なステーブルコインとして、アメリカドルと連動しているUSTDやUSDCが挙げられます。

・仮想通貨担保型

仮想通貨担保型は、他の仮想通貨によって担保されているステーブルコインです。例えば、ビットコイン等の通貨を担保にコインを発行して価格を連動させています。代表的なものとして、DAIやsUSDが挙げられます。

・無担保型

無担保型とは、法定通貨や仮想通貨などを担保にせず、アルゴリズムによって通貨を成り立たせる方式です。そのためアルゴリズム型とも呼ばれています。代表的なUSTは、アメリカドルの価値の変動に応じてアルゴリズムが作用し、一定の価格を維持しています。

・商品担保型

商品担保型はコモディティ型とも呼ばれ、商品の価値を担保にした方式です。例えば、原油や金といった資源が挙げられます。代表格としてPAX Goldが有名です。

【仮想通貨の使用例と実際の用途】

 いくつか仮想通貨の種類について紹介してきましたが、最後に代表的な7つの用途について見ていきましょう。

①送金手段

まず、仮想通貨の用途の中で一番期待されているのが、送金手段としての手段です。金融機関を通さず個人間で送金が可能な上に、送金する速度も速く手数料も安く済ませることができます。

②決算手段

次に、仮想通貨には買い物やサービスへの決済手段としての用途があります。日本では2017年4月1日に施行された改正資金決済法により、仮想通貨が正式な決済方法として認められました。クレジットカード等と比べた際に手数料が安く済んだり入金が素早いというメリットがあります。

③公共料金の支払い

仮想通貨には公共料金の支払い方法としての用途もあります。国内ではCoinCheck(コインチェック)というガスと電気の料金をビットコインで決済できるサービスが展開されています。

④寄付

意外な手段かと思いますが、寄付手段として仮想通貨を使うこともできます。通常お金や電子マネーでは寄付の用途が分からず少額の場合手数料の方が高くなります。しかし仮想通貨での寄付は、手数料が安く、ブロックチェーン上に送信履歴が記録されるため寄付の透明性が高いことが利点になります。

⑤資金調達

仮想通貨は資金調達の手段として使うこともできます。ICOという企業が発行した暗号資産を購入してもらう方法と、IEOという暗号資産交換業者が企業やプロジェクトを調査しトークン発行を通じて資金調達を援助する方法があります。

⑥プラットフォーム

仮想通貨は、アプリケーションの基盤などになるプラットフォームとしての用途があります。仮想通貨の技術を応用して取引や価値の交換の媒体として便利なシステムを作ることが可能なので、先ほど紹介したイーサリアムもスマートコントラクトの実行等に使用されています。

⑦投資対象

最後に仮想通貨といえば、投資対象としてのイメージが強いかもしれません。実際に、株や不動産と同様に価格が安いうちに購入し、将来的に大きな利益を得ることも可能です。ただ、すでに仮想通貨は種類が数万とあり、価格も幅広いためリスクを伴うことに注意が必要です。

【まとめ】

 仮想通貨の種類と使用用途に関して、いかがだったでしょうか。現在仮想通貨は2万種類以上あり、今回紹介した仮想通貨はほんの一部に過ぎません。そのため、利用しようと考えている方はどれが良いか等よく調べて慎重に判断していきましょう。

 このブログで、仮想通貨に関してより興味を持っていただけたら幸いです。次回は、仮想通貨の将来と課題に関して詳しくみていきます。ぜひそちらの公開をお楽しみに!